のぉ れいん のぉ れいんぼう

田邊裕貴の見た色々を雨のように、あなたの中に今まで無かったものを

のぉ れいん のぉ れいんぼう

あなたの中に無かったものをお届けします。

ファンタジー

 

 

歯笛をご存知だろうか

 

口笛、指笛はご存知の方も多いと思うが、

歯笛はその間である。

 

指を使わない指笛とも言えるだろうし

指笛みたいな口笛とも言える

 

原理は説明できないが

「し」と「す」の間の発音で息を吹き続けると次第にコツを掴み、

歯笛は鳴るようになる。

 

 

そんななんとなく出来るようになる技術をなんとなく習得する人間ってすごい。

 

私見だが

歯笛の特徴は音階の自由さにあると思う。

筆者は指笛と口笛は吹けないからこれは偏った私見である事に違いない

 

 

また音量に関しては歯笛というだけあって歯並びが強く影響するようである。

 

私の兄は歯並びがよく、歯笛の音量でこの人を越えるはおろか、並ぶ人間すら見たことがない。

兄のそんな歯並びは中学2年の時に、バスケの試合中敵のファウルプレーによって前歯を折るという事故があったのにも関わらず

むしろ差し歯になって歯並びには磨きがかかった。

その変わり手羽先を本気で頬張れないという後遺症が残った。

 

歯科検診においては「噛みあわせが良すぎる」と言われることもあったとかなんとか。

 

そんな歯並びに関する事だけでこんなにも語ることが出てくる人間は珍しいと思う。

 

更に信じがたい事に、兄のそんな歯並びから発せられる強烈な歯笛は、とんびを呼び寄せる事が出来てしまう。

 

 

 

 

 

 

 

 

とある正月だったと思う。

 

 

 

凧揚げをしていたのだが、凧揚げというのは凧が上がりきってしまえば相当に暇なもので

暇を利用して兄が得意げに空を見上げながら歯笛を吹き始めた。

田舎の田んぼと寒空のなか歯笛に揺れる凧を見上げている3分もしないうちに視界に大きな鳥が入ってきた。

 

トンビである。

 

 

 

大きな鳥は凧と共に頭上を旋回し始めた。

もちろん歯笛でトンビの鳴き真似は出来てもそれ以上の事はなく。

この話もこれ以上続かない。

 

ただトンビを呼び寄せられる人間というものがこの世には存在するんだな。

 

と、ほんの少し知見を広げてもらえたなら本望である。十分である。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

なんでそんな事思い出したかは知らん。

 

 

 

 

 

 

 

 

Fin.