夏だが、夏が恋しいです。
こりゃ毎年やったかなぁ
こないだ、ロケハンという事で、小田原を越え
真鶴という所へ行ってきた。
夏である。
「こんなご時世」が今年の流行語大賞2位やろか
1位は決まりとして。
流行語大賞なんか誰が何のためにやっとるんやろな
真鶴である。
海と山と人がいいバランスで共存してる町であった。
端的に言えば「田舎」なんやけど
「都会」と一言に言っても東京を語れないように、
「田舎」だけでは表現出来ない情報量が真鶴にもある。
我々はそのひとつひとつを掬い上げる
事が出来たら幸せやな。
ロケハンというても俺は暇やったから付いて行っただけで
俺は関係がないロケハンやった。
しかも目の前にいるゴリラは照明の人であるから、
2人して
「ええやん、暑いな」
くらいしか言う事が無い。
後日メインロケハンという監督やらカメラマンやら助監督やらが皆でワイワイ行くやつがあるのだから
これは「ロケハンに来る価値があるかどうか」
という、ロケハンのロケハンになる。
感想としては最&高
兎に角いいところだったので
ひたすらに歩いた。
土地の良さを掬い(すくい)上げるには歩くしなかいと思う。
それくらいゆっくり見ないと人間の脳は景色に追いつかない。
そう考えると写真は偉大よな。
俺は故郷の町を誰よりも意味なく歩いたと思う。
意味なく写真を撮った。
今年で22歳のおっさんになったけど、
小僧の頃の暇つぶしが仕事になりつつあると思うと人生って下らんな。
笑ってまうわ
ゴリラと俺は「映画」を仕事にしてはいるものの
こないだ雑誌で特集されてたお洒落な人達の好きな映画を特集した号を読んでもほとんど知らない映画だし
ヒッチコックの新作より「アオハライド」にライドしちゃうような奴らである
ちなみに『アオハライド』は見ていない。
補足しとくけどそこらの捻くれた映画好きよりは「映画的」というものを理解しているつもりではいる。
仕事なので。
本当はキラキラ映画が撮りたい。
いいキラキラ映画が撮りたい。
そういう意味で真鶴は最高やった。
なんでここに生まれて、
デートスポットに悩みながらも甘酸っぱい放課後を過ごし
夏祭りはまだ付き合ってない男女4人で集合して肩ちょい下まで伸びた漆黒の艶髪にぼんやり頬を染めて笑う同級生にラブずっきゅんする青春を送ってこなかったのか。
体育館裏の告白を覗き見しなかったのか。
ここ真鶴にはその全てもそれ以外の青春の全ても詰まっていた。
どうしてお前と汗かいて坂登らなならんのや。
駅前にひとつだけあるセブンイレブンとか、
駅前にひとつだけある寂れたカラオケボックスとか
見上げればトンボが飛んでいて
振り返ればあの子の家があったりとか
皆が振り振られした校舎裏とか
この夏を後悔しないために出来る事は
今、目の前にある景色を掬い上げる事だけなんや
洗濯干してるおじいちゃんにもラブずっきゅんだ馬鹿野郎。
Fin.