のぉ れいん のぉ れいんぼう

田邊裕貴の見た色々を雨のように、あなたの中に今まで無かったものを

のぉれ

天才たなべの大冒険

小説『人のセックスを笑うな』が面白かったから語らせてくれ

最高に人間臭い。そしてハイセンス。「男女」ではなく「人間」の話。まだ読んでないなら今すぐにでもおすすめ

 

今年の冬は体調に気をつけたいと思いながらも

服を着るのが面倒な

田邊裕貴です。

 

 

 

 

 

 

出会い

最近本読むねん

1日1冊ぐらい

基本的にKindle Paperwhiteっていうお洒落な名前の電子書籍端末で本読むんやけど、

古本漁るのもいい。

 

本屋で本選ぶときはジャケ買いするねんな

ジャケ買いっていうのは表紙、見た目、タイトルとかだけで決める事な。

 

 

今回出会ったのが『人のセックスを笑うな』

 

 

 

人のセックスを笑うな (河出文庫)

人のセックスを笑うな (河出文庫)

 

 

俺が買ったのはこの表紙じゃないんやけどな

 

 これ

 

古本屋で拾い上げたら値段書いてなかってん

パラパラめくったら背表紙の裏にふせん貼ってあるねん

ほんで店主のコメントと値段書いてくれてた

ええやん

 

即買やわ

レジ持って行ったら値段書いてる部分だけ切り取ってくれた

本好きなんやなぁっていうのが熱いぐらい伝わるし、またここで本買おうと思う。

 

あ、この時の日記あるから読んでみてな

カメラぶら下げ高校生の日記(リンク) 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

餅は餅屋じゃなくて、餅もAmazonで買うような時代やからな

店舗やってる人はチェーン店であろうがその店の価値を売っていかな仕事無くなるんちゃうかな

どれだけ大企業でも、お客さんと店員さんの関係やなくてあなたとわたしっていう関係がええよな

 

俺も店持ちたいな。

 

 

 

さて、本の話するで

どんな本かっていうと

山崎ナオコーラさんの処女作で第41回文藝賞受賞作らしい。

 

何の話かっていうと

「恋というか愛の話」

「男女じゃなくて、人と人の話」

「セックスっていうか人生の話」

っていう感じ

 

俺の感想

情景描写が神ってる(流行語大賞)

これほど美しく情景描写する人おるんかってぐらい、1行目でニヤけてしまった。

※俺は作品で刺激を受けると嬉しくてニヤける。

 

ほんでその描写がまためちゃくちゃ人間臭いねん。

これについては最高と言いたい。

というかタイトルからして受賞間違い無いやろって感じよな

独断と偏見やけど。

 

 

 

あと、

読み終わった後、山崎ナオコーラさんが男か女か分からんかった。

実はカバーに顔写真載ってたねんけど、俺本買ったら秒で帯捨ててカバー外して読むんよ。

だから名前しか知らん状態で読んだら、分からんかった。

普通小説読んだら何となくどこかに違和感感じるというか。

「あぁ、この作者男っぽいなぁ」とかなるんやけど、

それが全く無かってんな。

ナオコーラさんは結局女性なんやけど、俺は作中の「オレ」に全く違和感感じんかった。男は見透かされるんやなぁってなった。

 で、違和感が無さ過ぎて驚く事にオレとユリの性別入れ替えても読んでも成り立つ気がする。

それぐらい男女じゃなくて、人間を描いてた。

それがこの小説の素晴らしい所

 

こんな小説中々無いと思う。

あんまり小説詳しくないけど

 

 

 

 

 

 

ここから引用とか使って語りたいんやけど

ややネタバレするやろうから嫌やって言う人はまた読んでから来てください

人のセックスを笑うな (河出文庫)

 

 

 

 

 

 

 

↓つづく 

※ここからネタバレあり。多少ネタバレしてもええから聞かせてっていう人はお読みください 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

俺の読んだ『人のセックスを笑うな』

オレとユリの話。

ユリっていうのは、オレの通ってる学校の先生やねんな

オレ(19) ユリ(39)っていうすごい年の差で、

「え、ごっつ」ってなるやん

読んだらそうならへんのよ

実際39歳の人と恋愛なんかした事無いから全く分からへんのやけど

そういう話じゃなくて、どうでもええんよな、年齢。

 

さっきも書いたけど「男女」とか「青年とおばちゃん」じゃなくて

人間達」が描かれてるねん。

 

話の主題からちょっとズレるんやけど

学校っていうのは美術の専門学校で、美術やってる人の独特な感じ分かるかなぁ

俺も美術部なわけでも無いからよく分からんのやけど、仲の良い友人に美術部がおって

話よく聞いたりもするんやけど

「ちょっと変わってる」感が心地良く描かれてる

そこも注目して欲しい。

俺はそういうのめちゃくちゃ好き。

 

更に言うとユリは結婚してて、旦那さんがまた面白い

ちょっとだけ出てくるんやけど、好奇心揺さぶってくる人やねん。

 

という事で最高に人間臭い小説。俺は絶賛する。

 

好きな科白ちょっと引用するわ

 

「授業してても、よく見ちゃってたの。いい顔してるなって。あと肩のラインと、肘の形が好き。指の節も」 

 

ユリがオレのことが好きっていうのを告白したあとの言葉やねんけど

ユリの人間臭さが物凄く現れてると思う。

 

解説の高橋源一郎さんも書いてたんやけど

この作品の主人公オレはユリの内面を暴こうとしてないねん。

暴こうとせずに理解しようとする。

それも言葉じゃなくて、感覚を研ぎ澄ませることによって。

 

同じくナオコーラさんも何も暴かない。

 

だから内面はほとんど読者の想像でしか無い。

つまりは俺の感じた人間臭さは俺自身の人間臭さであって、そういう所がこの作品は小説として優れてる。

いわば小説らしい小説で、俺は小説書いてないけど悔しかった。

これ、小説書いてる人やったらもっと悔しいんじゃないかなって、それぐらい良い小説に出会えたと思う。

 

おすすめ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Fin.

 

人のセックスを笑うな (河出文庫)

 

人のセックスを笑うな (河出文庫)

人のセックスを笑うな (河出文庫)